介護支援専門員実務研修実施要綱 第19回試験合格者から対象となる介護支援専門員実務研修の具体的な内容

第19回試験合格者から対象となる介護支援専門員実務研修の具体的な内容

介護支援専門員実務研修実施要綱

1 目的
介護支援専門員として利用者の自立支援に資するケアマネジメントに関する必要な知
識及び技能を修得し、地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種
協働を実践できる介護支援専門員の養成を図ることを目的とする。

2 対象者
法第69条の2第1項に規定する介護支援専門員実務研修受講試験に合格した者とする。


3 実施方法及び研修課程

(1)基本的な考え方
介護支援専門員は、法第7条第5項において、「要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス又は地域密着型介護予防サービスを利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、地域密着型サービス事業を行う者、介護保険施設、介護予防サービス事業を行う者、地域密着型介護予防サービス事業を行う者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして第69条の7第1項の介護支援専門員証の交付を受けたもの」とされ、その養成課程である介護支援専門員実務研修(以下「実務研修」という。)は、施行規則第113条の4第1項において、「介護支援専門員として必要な専門的知識及び技術を修得させることを目的とし」て、同条第2項において、「居宅サービス計画、施設サービス計画及び介護予防サービス計画に関する専門的知識及び技術の修得に係るものをその主たる内容」とすると定められているところである。
したがって、実務研修の内容は、利用者の自立支援を図るために、アセスメントの重要性を認識し、居宅サービス計画、施設サービス計画及び介護予防サービス計画の作成、サービスの利用、モニタリングの実施等のいわゆる「ケアマネジメント」の過程に沿った各段階で必要な視点や手法を修得するとともに、地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種協働の手法を修得できるものでなければならない。

(2)研修内容
実務研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定める介護支援専門員等に係る研修の基準」(平成18年厚生労働省告示第218号)第1号に規定されているところであるが、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計87時間以上とする。


介護支援専門員実務研修の具体的な内容 (前期日程)

科目1(全13科目・前期)講義3時間
○介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント

 

目的
介護保険制度の理念等を理解するとともに、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組の現状を理解する。
また、介護保険制度における利用者の尊厳の保持及び自立支援に資するケアマネジメントの役割を理解し、地域包括ケアシステムにおける介護支援専門員の役割を認識する。

内容
・介護保険制度の基本理念を理解し、介護保険制度における利用者の尊厳の保持、自立支援に資するケアマネジメントの役割、ケアマネジメントを担う介護支援専門員に求められる機能や役割に関する講義を行う。

・介護保険制度の現状と地域包括ケアシステムが求められる背景とその考え方、構築に向けた取組状況に関する講義を行う。

・介護サービスの利用手続き(要介護認定等に関する基本的な視点と概要)、居宅サービス計画等の作成、保険給付及び給付管理等の仕組みといった一連の関係性についての講義を行う。

 

科目2(全13科目・前期)講義及び演 習6時間
○自立支援のためのケアマネジメントの基本

 

目的
利用者の尊厳の保持及び自立支援に資するケアマネジメントの視点を理解する。
また、利用者が住み慣れた地域で主体的な生活を送ることができるように支援することの重要性を理解するとともに、在宅生活を支援する上で、家族に対する支援の重要性を理解する。

内容
・ケアマネジメントの成り立ちや機能について理解するとともに、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準に基づいて、介護支援専門員としての責務及び業務を理解し、ケアマネジメントの中心的な役割を担う立場であることを認識するための講義を行う。

・利用者が住み慣れた地域で、最期まで尊厳をもって自分らしい生活を送ることができるよう、自立支援のためのケアマネジメントを実践する上で必要な視点を理解する。

・インフォーマルサービスも活用したケアマネジメントを理解する。

・利用者を支援する上で、家族を取り巻く環境に留意し、家族に対する支援の重要性や目的を理解する。

・介護予防支援や、介護予防・日常生活支援総合事業におけるケアマネジメントにおいても、基本的な考え方やプロセスは同様であることから、これらも含めた形での講義を行う。

 

科目3(全13科目・前期)講義及び演習4時間
○相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎

 

目的
ケアマネジメントにおける相談援助の専門性を理解し、直接援助職から相談援助職への 視座の転換を行う。また、利用者のニーズを把握する上で、利 用者を多面的に捉える視点の必要性を理解し、利用者の自立支援に向けた相談援助技術を修得する。

内容
・直接援助を行う職種と相談援助を行う職種の各々の役割や視点の違いを認識することにより、相談援助の職種における専門性を理解する為の講義を行う。

・相談援助を行う上での留意点として、感情移入することなく自己を客観視することの重要性とそのための方法等に関する講義を行う。

・利用者のニーズを把握する上で、利用者を多面的に捉える視点(身体的・心理的状況、生活環境、社会参加状況等)について理解する。

・相談援助に係る基本的な技法を理解する。



科目4(全13科目・前期)講義2時間
○人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理

 

目的
人権と尊厳を支える専門職に求められる姿勢を認識する。
また、介護支援専門員としての職業倫理を理解するとともに、日常業務で直面する倫理的課題等を認識する。

内容
・介護支援専門員が備えるべき、利用者本位、自立支援、公正中立、権利擁護、守秘義務、利用者のニーズの代弁等の倫理に関する講義を行う。・人権の概念、利用者の尊厳の保持、介護支援専門員の倫理綱領、倫理原則、成年後見制度等に関する講義を行う。
・ケアマネジメントの実践において直面しやすい倫理的な課題とその課題に向き合うことの重要性を理解するための講義を行う。

 

科目5(全13科目・前期)講義及び演習2時間
○利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意

 

目的
利用者及びその家族に対する適切な説明と合意形成の手法を修得する。 また、サービス担当者会議、地域ケア会議等様々な場面においても説明と合意が得られる技術を修得する。

内容
・利用者及びその家族、利用者を支援するサービスの担当者等の多職種に対する説明の意義・目的を理解するための講義を行う。

・サービス担当者会議や地域ケア会議等における場面ごとに求められる説明の意味・目的を理解するとともに説明の技法(話の構成、姿勢、スピード、言葉の選択等)を修得する。

・説明から利用者の合意に向かうまでのプロセスの重要性とポイントを理解するとともに、多職種協働における説明責任を理解する。

 

科目6(全13科目・前期)講義2時間
○ケアマネジメントのプロセス

 

目的
ケアマネジメントプロセスの全体像を理解する。

内容
・ケアマネジメントプロセスの構成と流れを理解するとともに、各プロセスにおける意義
・目的に関する講義を行う。
・ケアマネジメントプロセスにおける各プロセスの相互の関係についての講義を行う。


科目7(全13科目・前期)講義及び演習1時間
○ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術・受付及び相談並びに契約

 

目的
受付及び初期面接相談(インテーク)、契約 の各場面で求められる実践的な技術を修得する。

内容
・受付及び初期面接相談(インテーク)の場面における相談援助の視点と技術を修得するとともに、 利用者及びその家族との信頼関係の構築の重要性について講義を行う。

・契約は重要事項の説明を経た法律行為であることから、利用者が主体となる契約の意義とそれを保障するための仕組み(苦情申し立て、権利擁護等)についての講義を行う。

・契約に関する制度上の位置付けや留意事項に関する講義を行う。


科目8-1(全13科目・前期)講義及び演習1時間
○ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術・受付及び相談並びに契約

 

目的
受付及び初期面接相談(インテーク)、契約 の各場面で求められる実践的な技術を修得する。

内容
・受付及び初期面接相談(インテーク)の場面における相談援助の視点と技術を修得するとともに、 利用者及びその家族との信頼関係の構築の重要性について講義を行う。

・契約は重要事項の説明を経た法律行為であることから、利用者が主体となる契約の意義とそれを保障するための仕組み(苦情申し立て、権利擁護等)についての講義を行う。

・契約に関する制度上の位置付けや留意事項に関する講義を行う。

 

科目8-2(全13科目・前期)”講義及び演習6時間
・アセスメント及びニーズの把握の方法

 

目的
利用者及びその家族並びに多職種からの情報収集とその分析を通じて、介護支援専門員としての専門的な判断の根拠を説明できる技術を修得する。 また、アセスメントにおいて収集した情報から、専門職としてニーズを導くための技術を修得する。

内容
・アセスメントからニーズを導き出すまでの思考過程の全体像に関する講義を行う。

・アセスメントにおける情報収集の項目の内容、目的、主治医意見書の記載内容を理解するとともに、情報収集の方法・技術を修得する。

・収集した情報を的確に分析することにより、課題の明確化、改善及び悪化の可能性などを導き出せることを理解する。

・利用者の生活全体を捉える視点の重要性を理解するとともに、利用者の生活の現況から生活機能(WHO国際生活機能分類による)と背景を把握し、理解する視点を修得する。

・課題整理総括表等を用いてADLやIADL等の状況から利用者が抱える課題を明確化し、状態の維持改善及び悪化の可能性の判断と予測を立て、適切なニーズを導くための技術を修得する。

科目8-3(全13科目・前期)講義及び演習4時間
・居宅サービス計画等の作成

 

目的
ニーズを踏まえた目標の設定と目標を実現するための居宅サービス計画等の作成技術を修得する。また、居宅サービス計画等と訪問介護計画等の個別のサービス計画との連動の重要性を理解する。

内容
・利用者及び家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針を記載するに当たっての留意点に関する講義を行う。

・アセスメントから導いたニーズを解決するための視点と達成するための目標の関係についての講義を行う。

・インフォーマルサービスも含めた社会資源の種類及び内容を理解するとともに、インフォーマルサービスの活用も含めた居宅サービス計画等を作成する方法を理解する。

・保健医療サービス利用時の主治医等からの意見収集、リハビリテーション専門職からの意見収集など、多職種との連携に当たっての留意点に関する講義を行う。

・訪問介護計画等の個別サービスの計画は、居宅サービス計画に記載したニーズや目標に基づいて作成され、利用者を支援するサービス提供につながっていくものであることから、居宅サービス計画との連動の重要性を理解するとともに、個別サービスの計画につながる目標の立て方等を修得する。

 

科目8-4(全13科目・前期)講義及び演習4時間
・サービス担当者会議の意義及び進め方

 

目的
多職種とのアセスメ ント結果の共有や、居宅サービス計画等の原案に対する専門的見地からの意見収集の意義を理解し、会議の開催に係る具体的な方法を修得する。

内容
・会議を開催するに当たり、事前の準備や開催当日の準備など、必要な業務を理解するとともに、会議の進行の手法等に関する講義を行う。・サービス担当者会議は、利用者及び家族並びにサービス担当者も含めて、利用者を支援していくための方向性を定める場であることから、介護支援専門員によるアセスメントの結果を共有することの重要性を理解する。

・会議での意識の共有に当たり、居宅サービス計画と訪問介護計画等の個別サービス計画との内容の整合性を確認することの重要性を理解する。

・複数のサービスを利用する場合には、各サービスの個別サービス計画ごとの内容を確認することの重要性を理解する。

・新規ケース、更新ケース、要介護状態等の区分変更ケースごとのサービス担当者会議における検討の留意点についての講義を行う。

科目8-5(全13科目・前期)講義及び演習4時間
・モニタリング及び評価

 

目的
ケアマネジメントプロセスにおけるモニタリングの意義・目的や、多職種との連携によるサービス実施の効果を検証することの重要性を理解する。

内容
・利用者及びその家族、サービス担当者等との継続的な連絡や、居宅を訪問し利用者と面接することの意味を理解するための講義を行う。・モニタリングにおける視点や手法、状況の変化への対応を理解する。

・評価表等を活用し目標に対する各サービスの達成度(効果)の検証の必要性と評価手法を修得する。

・居宅サービス計画の再作成を行う方法と技術についての講義を行う。

・モニタリングにおける多職種との役割分担と連携の重要性を理解する。

・モニタリング結果の記録作成の意味と、記録に当たっての留意点を理解するための講義を行う。


科目9(全13科目・前期)講義及び演習2時間
○介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)

 

目的
多職種に対する理解 ・尊重に基づいてチームを組成し、円滑に機能させるための基本的な技術を修得する。

内容
・利用者及びその家族の支援に際し、チームアプローチの意義を理解するとともに、介護支援専門員には、ケアのマネジメントだけでなく、チームのマネジメントも求められることを認識するための講義を行う。

・チームアプローチに際し、チームを組成する各職種の専門性と各々に求められる役割を理解するとともに、チームにおける介護支援専門員の役割を理解し、チーム運営において想定される課題や対応策を含め、チームを円滑に機能させるために必要な知識・技術を修得する。

科目10(全13科目・前期)講義3時間
○地域包括ケアシステム及び社会資源

 

目的
地域包括ケアの理念を踏まえ、地域包括ケアを推進していくに当たり介護支援専門員に求められる役割を理解する。 また、利用者を支援する上で知っておくべき各種制度や地域の社会資源の重要性を理解する。

内容
・地域包括ケアシステムの構築が求められる背景及び地域包括ケアシステムが目指す姿についての講義を行う。 ・地域包括ケアシステムを構築していく中で介護支援専門員に求められる役割(自立支援に資するケアマネジメント、インフォーマルサービスを含めた社会資源の活用、多職種や地域包括支援センター等との連携、不足している地域資源の提案等)に関する講義を行う。

・地域包括ケアを実現していくためのケアマネジメントを行う上で、必要な保健・医療・福祉サービスに関する講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に関して、地域の現状、課題、目指す方向性、社会資源の整備状況等を把握する事が大切であることから介護保険事業計画、地域ケア会議の重要性や内容に関する講義を行う。

・生活保護制度、障害施策、老人福祉施策、地域ケア会議などの概要について理解するとともに、関連する機関やボランティア等との連携・協力・ネットワークの構築についての講義を行う。

科目11(全13科目・前期) 講義3時間
○ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義

 

目的
医療との連携や多職種協働の意義を踏まえ、 具体的な連携の場面で必要となる基本的な知識や連携の手法を修得する。

内容
・医療との連携に当たって早い段階から連携の重要性を理解し、利用者の医療に係る情報や状態の改善可能性に係る意見等を把握しておく必要があることから、医療機関や医療職からの情報収集の方法等についての講義を行う。

・医療との連携に当たっての留意点を理解するとともに、介護支援専門員から医療機関や医療職への情報提供の方法及び内容(生活状況、サービスの利用状況等)に関する講義を行う。

・地域における、在宅医療・介護の連携を推進する役割を担っている機関の概要に関する講義を行う。

・多職種協働の意義を理解するとともに、多職種間で情報を共有することの重要性を理解し、情報共有に当たり個人情報を取り扱う上での利用者やその家族の同意の必要性についての講義を行う。


目的科目12(全13科目・前期)講義2時間
○ケアマネジメントに係る法令等の理解

 

目的

法令を遵守し、介護支援専門員の業務を適切に遂行できるよう、 介護保険制度に係る法令等を正しく理解する。

内容
・介護保険法、介護保険法施行令、介護保険法施行規則、厚生労働省告示、居宅サービス等の運営基準、居宅介護支援等の運営基準に関しその位置付けや業務との関連を俯瞰する講義を行う。(特に、介護支援専門員及びケアマネジメントに関する部分の規定について、業務と関連づけて理解する。)
・事業所の指定取消や介護支援専門員の登録消除などの不適切事例を参考に、ケアマネジメントを実践する上での法令遵守(コンプライアンス)の重要性を認識するための講義を行う・介護報酬に係る関係告示や通知等の概要についての講義を行う。

 

目的科目13(全13科目・前期)講義2時間
○実習オリエンテーション 講義1時間

 

研修における実習の位置付けと目的、実施方法を理解し、効果的な実習に結びつける。

・実習は、ケアマネジメントの実践現場を通して様々なことを学ぶことができる機会であるとともに、これまでの講義や演習を通じて身につけた知識・技術を試行する機会でもあり、効果的な実習となるよう、実習の目的についての講義を行う。

・実習の流れや実習時の心構えなどに関する講義を行う。(実習を通じて、地域ごとの社会資源等の状況や現場での倫理的課題などについても意識を向けるよう認識する。)

○ケアマネジメントの基礎技術に関する実習
実習現場でのケアマ ネジメントプロセスの経験を通じて、実践に当たっての留意点や今後の学習課題等を認識する。

・実習に当たっては、利用者への居宅訪問を行い、アセスメントの実施、居宅サービス計画の作成、サービス担当者会議の準備・同席、モニタリングの実施、給付管理業務の方法など一連のケアマネジメントプロセスの実習を行う。



 

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