第28回介護福祉士国家試験問題 解説(問題33~40)

第28回介護福祉士国家試験問題 解説 筆記試験 平成27年度 平成28年度 2015 2016



介護福祉士Top実技試験解答速報text_006_01実技試験対策実技試験Q&A実技試験 模範解答・解説(第27回)●実技試験 過去問題ホテル/旅館/飛行機/高速バス/夜行バス/レンタカー等の予約●筆記試験 解答速報 午前問題1~68  午後問題69~120筆記試験 解説問題難易度と総評(筆記試験の合格基準となる10科目群別) ●介護福祉士 無料 めるまが登録筆記試験 何点で合格実況中継筆記試験 過去問題合格率合格ライン・合格基準点掲示板求人情報年収・給与

コミュニケーション技術(問題33~40)

施設スタッフとして働く皆さま、訪問介護職員として働く皆さま、相談援助職の皆さまも。
経験を重ね、苦労を重ね、プロとして日々の御仕事のシーンで、どなたもきっと自然に『傾聴』をなさっておいでだとおもいます。
 
皆さまの御苦労を、文字ではなかなかうまく表現できませんが、双方向での理解が深まってゆくプロセスは、皆さまにとって、なにものにもかえがたい、良質な一生の財産となるのではないでしょうか。

問題33

傾聴の技法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 最初に客観的事実を確認してから聴く。
2 相手の言葉を妨げないで、じっくり聴く。
3 相手の目をじっと見つめながら聴く。
4 早い動きでうなずきながら聴く。
5 解決策を提案しながら聴く。

解答・解説

正解は、2と、かんがえます

自分のことを話す前に、相手のお話を、まず丁寧に聴くために、耳はふたつ。口は、ひとつなのじゃ。なんて、『傾聴の達人』なら、おっしゃりそうですよね。
忙しい現代社会では、コミュニケーション・イコール・情報伝達・情報交換・・・ともなりがちですが、本来は【相互に理解を深めてわかりあう】という、たいせつな機能も持っています。
傾聴は、問診でも、アンケート調査でも、口頭試験でも、ましてや、取調べ・誘導尋問でもありません。
ここでは、利用者さんの主観的な訴えをたいせつにして、ただ耳を傾ける・・・その時間なのですね。

人の話しには・・・
① 話し手が見聞きしたこと(経験)
② したこと(行動)
③ 感じたこと(感情)
④ その人の価値観や考えかた(ものの見方)

などが含まれており、これらを総合的に聴くことが『傾聴』となります。

『傾聴』を3つの段階に分けた場合に、第一段階では利用者さんの語る言葉を聴き、第二段階では利用者さんは、介護職者からのなんらかの感情移入体験され、介護職者は利用者さんに関心を十分に向けるとされます。第三段階では、利用者さんは、『聴いてくれている』『理解してもらっている』ことを、十分に感じ取るとされます。


問題34

Gさん(70歳男性)は、双極性感情障害(bipolaraffective disorder)があり、入退院を何度も繰り返してきた。最近、様々な考えがつながりもなく浮かんで多弁になる躁状態。になり、訪問介護(ホームヘルプサービス)に来たH介護福祉職にも次々に話しかけてきた。

このときのH介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「一度にいろいろ話すのはやめてください」
2 「また入院することになりますね」
3 「いつもより気分が高ぶっていますよ」
4 「私にはよく分かりませんが…」
5 「もっとお話を聞かせてください」

解答・解説

正解は、3と、かんがえます・・・

この設問は、解答速報を出す各社でも、正答がわかれました。 問題34が、難問王?? 決定かもしれません。

双極性障害とは・・・『躁鬱病』と表現するほうが、どなたにも身近に感じられるのではないでしょうか。
鬱状態のとき、躁状態のとき、それぞれに、注意すべきことや、適切とされる対応があります。下記資料を御参照ください。
設問1、設問2は、明らかに、却下ですよね。
設問4は、患者さんとのコミュニケーションを避けているようです・・・
設問3、あるいは、設問5、 迷うところですよね・・・
介護者の口調や表情などが、設問からはわかりませんが、どうされました??風の、落ち着いたニュアンスでの話しかけと考えて、設問3を、より適切と、かんがえます。

※  『躁』の症状の患者さんへの接し方として・・・
◆ (感情的にならず)行き過ぎた行為は注意する
◆  特別扱いはしない
◆  受診をうながす
◆  気持ちを落ち着かせる手立てを一緒に考える
※   してはいけないこととして・・・
◆  言うことを鵜呑みにして、真に受けてしまう
◆  「正常じゃない」、「また困ったことを」などとバカにする
◆  腫れ物にさわるように接する
◆  躁の状態を利用する(買い物をさせるなど)

(イーライリリー社資料より)


問題35

Jさん(82歳、女性)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で暮らしている。Jさんは朝食を済ませていたが、また朝食の準備を始めた。他の利用者が「さっき食べたでしょう」と言うと、Jさんは「まだです。今起きたばかりです」と答えた。

このときのJさんに対する介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「おなかがすきましたか」
2 「さっき、食べたばかりですよ」
3 「後片づけまで終わりましたよ」
4 「もう1回食べるのですか」
5 「食事より掃除をしませんか」

解答・解説

正解は、1と、かんんがえます

傘寿をこえた82歳のJさん。われらの大先輩ですよね!! 会話が成り立たないからと言って、認知症の人は、赤ちゃんではありません。われわれと同じく、いえ、時にそれ以上に、自尊心をもって暮らしておられます。配慮なく、誤りを強く指摘されたり、無理に修正させられたりすると、自尊心が傷つき、不安や混乱、反発、反抗など否定的な感情を引き起こしてしまうこともあります。

ということは、問題35では、事実を説得することが、正しいコミュニケーションとはならないのですね。
認知症の人とのコミュニケーションでは、論理的に思考することが、困難になるため、ケアにあたっては日常生活で、ふだん使っている言葉で、情緒的に納得していただけるような働きかけが効果的とされています。
情報処理能力が低下しているJさんとのコミュニケーションでは、簡単な言葉、簡単な文章を使って、簡潔に1つづつ御伝えすることが、とてもたいせつになります。

さて、実は、設問5かも???と、迷った受験生さんも、きっとたくさんおいでとおもいます。
まずは、『まだです。今起きたばかりです』(朝ごはんはまだ)という、Jさんの言葉への対応が必要でありましょう。
認知症により、基盤となる出来事の記憶の積み重ねが難しくなっておられるJさんに、朝ごはんのことをスルーして、いきなりお掃除の話を振るのは、NGですよね。


問題36

Kさん(72歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementiaofthe Alzheimer’stype)である。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で暮らしているが、いつも「夫に迷惑をかけて申し訳ない」と言っている。ある日、面会に来た夫に対して、「いつもお世話様です」と挨拶しながら、誰なのか分からないで不安そうな様子であった。

Kさんへの介護福祉職の最初の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「誰でしょうか、覚えていますか」
2 「顔は覚えているけど、名前を忘れたのですね」
3 「頑張って思い出してみましょう」
4 「ご主人ですよ。来てもらってよかったですね」
5 「迷惑をかけて申し訳ないと伝えましょう」

解答・解説

正解は、4と、かんがえます

試験問題だとわかっていても、事例問題だととわかっていても、せつなくなりますね・・・
記憶の時間軸が崩壊する・・・これが、アルツハイマー型認知症の症状の1つです。
御自身の基盤となる、たいせつな出来事記憶の積み重ねが崩壊してゆくなかで、自分が消えていくような不安を持つともいわれます。自信がなくなり、不安になり、周囲からのこれまでの信頼を失い、時に避難されることもあるでしょう。認知症の人の気持ちになる、本人の尊厳を傷つけないこと(ただし、一方的に与えるケアではなく)を提唱するパーソンド・センター・ケアにおいては、本人の気持ちを察し、その思いに寄り添うケアがもとめられます。

面会者が誰なのかわからないJさんの不安をうけとめ、その不安を解消するための言葉かけとして、【面会に来てくれているのは、Jさんのご主人であること】を伝えることが最適とおもわれます。


問題37

Lさん(70歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で聴覚的理解と視覚的理解の障害があるが、発語はできる。日常会話で使用する単語は理解できるが、うまくコミュニケーションをとれないことが多い。介護福祉職が「あしたは晴れですね。あしたの午後散歩に行きましょう」と伝えると.Lさんは話の内容が分からない様子である。

Lさんが理解できるような関わり方として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 もう一度、低い声で同じ言葉を伝える。
2 もう一度、大きな声で同じ言葉を伝える。
3 「あした、散歩」と短い言葉で伝える。
4 「あした、さんぽ」とひらがなで書いて伝える。
5 言葉を1音ずつに区切って、「あ・し・た・さ・ん・ぽ」と伝える。

解答・解説

正解は、3と、かんがえます

脳梗塞後遺症により、聴覚的理解と、視覚的理解障害があるとされる、Lさん。事例文から、単語の理解は可能だけれど、長い文章になると会話の内容の理解が難しいようです。

ということは・・・
難聴はないことから、介護職の人声はちゃんと聞き取れるけれど、その内容を頭の中にとどめておくことが難しいと推測されますね。文章の中に、いくつもの要素がありすぎると難しいのですから、わかりやすい単語で簡潔に話すことをこころがけると、Lさんも安心して会話ができそうです。

以上から、設問1、2は、却下に。 視覚的理解に障害があるLさんは、漢字よりも『ひらがな』を読むことが難しい場合も有り得ます。よって、設問4も、却下に。
Lさんは、日常会話で使用する単語は理解できることから、会話は単語のみで、わかりやすくが基本となります。 その場合、下記のような注意が必要だそうです。

会話の内容は、『今日は いい天気ですね』 だとすると・・・
◆ 悪い例   きょ・う・は・い・い・て・ん・き・で・す・ね
◆ 悪い例   きょう・は・いい・てんき・ですね
◆ 悪い例   きょうは・いいてんきですね

よく読むと、コツがつかめますね!! 文節の区切り方が、とてもたいせつなのですね。よって、設問5も、却下といたします。


問題38

Mさん(72歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。
糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)で、3か月前に右目を失明した。左目はかすかに見える状態である。聴覚機能、言語機能、認知機能に問題はない。

Mさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Mさんの右側から話しかける。
2 Mさんの体に触れてから挨拶をする。
3 物音を立てないように関わる。
4 「あそこ」「これ」と代名詞で説明する。
5 視覚情報は整理して口頭で伝える。

解答・解説

正解は、5と、かんがえます
 
右目を中途失明なさったMさん(72歳)。失明して、まだ、3ヶ月。そして、左目はかすかに見える程度とのこと。
失明前の右目の状態が事例文章からは、読み取れないのですが、視覚を中心にした生活をなさっていたとすると・・・
日々の暮らしにおいての情報収集が、とても、困難になられたであろうと推測されますよね。
設問4のような、『あれ』とか、『これ』といった代名詞では、Mさんにはうまく情報がキャッチできません。
設問5のように、視覚情報は、まず整理して、わかりやすくまとめてから、ゆっくりとお話で伝えることが必要となります。
 
御自身で右目を閉じ、左目をうすく開けた状態で試していただくとわかるのですが、右側に人がいることに気づかない可能性・大!!ですよね。いきなり話しかけられたら・・・超・こわいです。
急に無言で体に触れるのも、危険を伴う可能性もありますので、NG!! 会話どころじゃないし。
これでは、良好なコミュニケーション成立は、難しいですよね。問題38の出題科目は、【コミュニケーション技術】ですから・・・
できれば『左側』から、Mさんにも介護者の顔や姿が見えるように安心していただきつつ、お声をかけるのがBESTとかんがえます。
 
よって、設問1、2、3、4は、却下いたします。

問題39

箱型補聴器を使用する利用者と介護福祉職のコミュニケーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護福祉職は、イヤホンを装着した耳に向かって話しかける。
2 介護福祉職は、できるだけ大声で話す。
3 利用者は、比較的聞こえる側の耳にイヤホンを装着する。
4 利用者は、箱型補聴器を会話のときに限って使用する。
5 利用者は、雑音の多い場所では箱型補聴器の音量を上げる。

解答・解説

正解は、3と、かんがえます

補聴器の世界も、日進月歩。新タイプは知ってるけど、オールドタイプの【箱型補聴器】って、実は、見たことない・・・  こんな受験生さんも、多いかかもしれないですね。
そういえば、ネーミングも、【ポケット型補聴器】と表現することが多くなっていますので、両方覚えておくといいですね。
古くから大勢の人に愛されてきた?箱型補聴器ですが、近年は『耳かけ型』や『耳あな型』に人気の座を奪われ、製造中止になったり、機種が減ったりしているそうです。
箱型補聴器のマイクは、本体についていますので、補聴器のある場所が【音のはいりぐち】となります。
本体附属の、イヤホンを、左右どちらかの耳につけて使用しますので、【聴こえ】の良い方の耳に、イヤホンを装着するとよいでしょう。また、箱型補聴器の残念な点として、周囲の雑音を、ひろいやすいことがあげられます。

さて、補聴器を使っておられる人とのコミュニケーションの基本!! それは・・・
その人に近づいて、正面から、ふつうの大きさの声で、ゆっくり、はっきりと、はなすこと。
ことばを、1文字づつ区切るのではなく、文節(句読点)で区切るとわかりやすいとされます。補聴器を利用する場合は、はじめは、静かな室内で装着して、すこしづつ慣らしてゆくのだそうです。補聴器の音質に慣れるには、人にもよりますが、数週間程度かかることもあるのですね。

すこし慣れたら、テレビの音にチャレンジ! そして次は、会話の中に参加する。音を取り戻してゆく感覚でしょうか。


問題40

介護記録に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護福祉職の意見を中心に記録する。
2 調査・研究目的で記録を利用することは避ける。
3 記録は非言語的コミュニケーションのツールとして活用する。
4 利用者と家族は記録を閲覧することができる。
5 介護保険法では記録の様式を統一している。

解答・解説

正解は、4と、かんがえます

早朝出発や、睡眠不足。日々のハードワークに、プレッシャーにと、どなたも『問題40』あたりで疲れから集中力が途切れる頃かもしれません。
全8問中、最後の1点を、追加点として、ぜひとも、もぎとりたい『問題40』でした。

さて、個人情報の取扱いも、時代とともに大きく変化しているのは、皆さまも御存知のとおりですね。
介護や医療の現場において、積極的に介護記録・診察記録・検査記録などを提示して、家族や利用者さんに説明することは、信頼関係の構築に欠かせないこととされます。
介護記録を閲覧できる・・ひとむかし前では、難しかったことですが、今では、遠方に住む御家族がネットで閲覧することもできる時代となりました。
それにしても、なんで【コミュニケーション技術】に介護記録?? こんな受験生さんもおられるのではないでしょうか??

ここでのコミュニケーションは、『介護におけるチームのコミュニケーション』を意味しています。

チームワークで介護の業務をすすめる場において、記録を介することによって、統一した介護実践が展開できるからですね。
ちなみに、『記録の目的』として以下があげられます。
①  利用者の生活の質を向上させるため
②  より適切な介護サービスを利用者に提供するため
③  情報共有の促進をはかるため
④  介護・福祉サービス提供機関や施設の運営管理のため
⑤  リスクマネジメントの可視化のため
⑥  介護福祉職の教育や現任訓練のため
⑦  介護福祉職のスーパービジョンのため
⑧  介護・福祉に関する調査・研究のため
⑨  既存の介護・福祉に関する知識の評価や新しい介護の知識を生み出すため
⑩  介護・福祉にかかわる統計や、社会福祉全般の向上のため

設問1は、論外。設問2は、上記目的にあることからも、却下に。設問3は意味不明??にて却下に。設問5ですが、介護保険法において、このような規定はありませんので、却下します。



午前問題
人間の尊厳と自立 (問題1~2)
人間関係とコミュニケーション(問題3~4)
社会の理解(問題5~16)
介護の基本(問題17~32)
コミュニケーション技術(問題33~40)
生活支援技術(問題41~60)
介護過程(問題61~68)
午後問題
発達と老化の理解(問題69~76)
認知症の理解(問題77~86)
障害の理解(問題87~96)
こころとからだのしくみ(問題97~108)
総合問題(問題109~120)


介護福祉士Top実技試験解答速報text_006_01実技試験対策実技試験Q&A実技試験 模範解答・解説(第27回)●実技試験 過去問題ホテル/旅館/飛行機/高速バス/夜行バス/レンタカー等の予約●筆記試験 解答速報 午前問題1~68  午後問題69~120筆記試験 解説問題難易度と総評(筆記試験の合格基準となる10科目群別) ●介護福祉士 無料 めるまが登録筆記試験 何点で合格実況中継筆記試験 過去問題合格率合格ライン・合格基準点掲示板求人情報年収・給与

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ